令和4年度貢献部会報告


【令和4年度後見部会報告】

令和4年6月25日 山部理事報告 

1.身上監護

バイスティックの7原則に基づき相談援助を行う

・個別化

・意図的な感情表現の原則

・統制された情緒関与の原則

・受容の原則

・非審判的態度の原則

・自己決定の原則

・秘密保持の原則

 

2.声かけ

  閉じられた質問になりやすい(はい、いいえで答えられる)

  ・お元気でしたか(体調はどうですか)

  ・ご飯は美味しいですか

  ・よく眠れていますか

  ・欲しい物はありますか

  ・気になる事はありますか

   →この5つの声掛けを開かれた質問にするのは、次回までの宿題とする

 

3.身上監護報告書の記載内容

  ・面談日時(月1回必須)

・本人の言葉や様子

・施設や病院の職員から聞いた事(面談が出来ない時は特に重要)

・親族との関り(問題がある時)

・カンファレンス、病院受診、入退院、施設移行等

 → 詳細過ぎたり、本人の様子がわからないのは問題

*身上監護報告書に記載しないが、経過記録を別に作成する方法もある。

 

4.意思決定支援

  ・受任時~1か月の間に1回(支援の方向性を決める)

  ・1年に1回(関わっている全員に責任を持ってもらう

  ・施設移行など、必要時

5.受任時に確認しておくこと(身上監護部分)

・お寺、墓、親族、相続人

・関係機関との連携

6.その他

  ・経済的余裕がない場合の医療について

      → 意思決定支援を行う

   → 受診時の付き添いが後見人として必要な場合をのぞき、

     それ以外は介護タクシーに依頼する(NPO法人の立て替えを検討)

  ・死亡時の手続きについて

   → チェックリストの作成

     親族がいる場合

     親族はいても協力を得られない場合

     経済的に余裕のない場合 

     生活保護の場合

「バイスティックの7原則」

ここでは対象者をクライエント、援助者をワーカーと記載しています。

 

1. 個別化の原則

クライエントの抱える困難や問題は、どれだけ似たようなものであっても、人それぞれの問題であり「同じ問題は存在しない」とする考え方。この原則において、クライエントのラベリング(人格や環境の決めつけ)やカテゴライズ(同様の問題をまとめて分類してしまい、同様の解決手法を執ろうとする事)は厳禁となる。

自己点検:外面的に同じような状況に見えても、人それぞれ育ってきた環境が違い、価値観も違う。今目の前にいる人は世界に一人しかいないということを肝に銘じておかなければならない。援助がパターン化していないか。偏見や先入観にとらわれていないか。自分のペースで話を進めていないか。「忙しそうですね」と言われていないか。

 

2. 意図的な感情表現の原則

クライエントの感情表現の自由を認める考え方。特に抑圧されやすい否定的な感情や独善的な感情などを表出させることでクライエント自身の心の枷を取り払い、逆にクライエント自身が自らを取り巻く外的・内心的状況を俯瞰しやすくする事が目的。またワーカーもクライエントに対しそれが出来るように、自らの感情表現を工夫する必要がある。

自己点検:話しやすい雰囲気を意識しているか。座る位置はそこで良いのか。開かれた質問と閉じられた質問を意識しているか。リラックスできているか。同じ流れの中に入れているか。

 

3. 統制された情緒関与の原則

ワーカー自身がクライエント自身の感情に呑み込まれないようにする考え方。クライエントを正確にかつ問題無くケース解決に導くため「ワーカー自身がクライエントの心を理解し、自らの感情を統制して接していく事」を要求する考え方。

自己点検:自分の感情を自覚できているか。今抱いている感情は誰の感情なのか。共感の及ぼす過度な感情移入をしていないか。目的を意識しながら反応できているか。時期は適切か。急ぎすぎていないか。安易な情緒的関与をしていないか。平常心は保てているか

 

4. 受容の原則

クライエントの考えは、そのクライエントの人生経験や必死の思考から来るものであり、クライエント自身の『個性』であるため「決して頭から否定せず、どうしてそういう考え方になるかを理解する」という考え方。この原則によってワーカーによるクライエントへの直接的命令や行動感情の否定が禁じられる。

※ 自己点検:クライエントの人となりを吟味しているか。今起きている現実をありのまま受け止められているか。ギアはニュートラルに入っているか。ハンドルにあそびはあるか。

 

5. 非審判的態度の原則

クライエントの行動や思考に対して「ワーカーは善悪を判じない」とする考え方。あくまでもワーカーは補佐であり、現実にはクライエント自身が自らのケースを解決せねばならないため、その善悪の判断もクライエント自身が行うのが理想とされる。また人間は基本的に当初において自らを否定するものは信用しないため受容の観点からも、これが要求される。

自己点検:違う角度からもみるようにしているか。多面的に捉えているか。色目めがねをかけていないか。木も森もみえているか。常識という枠にとらわれていないか。

 

6. 自己決定の原則

「あくまでも自らの行動を決定するのはクライエント自身である」とする考え方。問題に対する解決の主体はクライエントであり、この事によってクライエントの成長と今後起こりうる同様のケースにおけるクライエント一人での解決を目指す。この原則によって、ワーカーによるクライエントへの命令的指示が否定される。

自己点検:今目の前にいる人が本来持っている生きる力や強さはどのくらいあるのか。本人の意思をしっかり確認しているか。実際発した言葉は本心なのか。緊急性はあるのか。周りの人の援助は期待できるか。援助が行き過ぎていないか。働きかけによって解決できる力が発揮できる可能性があるか。

 

7. 秘密保持の原則

クライエントの個人的情報・プライバシーは絶対に他方にもらしてはならないとする考え方。いわゆる「個人情報保護」の原則。他方に漏れた情報が使われ方によってクライエントに害を成す可能性があるため。

自己点検:秘密保持を意識しているか。個人情報の使用にあたってクライエントに不安をあたえていないか。個人情報の管理はしっかりできているか。


資料1
令和4年8月27日 大村理事報告 No.1
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資料2
令和4年8月27日 大村理事報告 No.2
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資料3
令和4年8月27日 大村理事報告 No.3
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